こんにちは、介護アロマセラピストの坂内美由紀です。
そう自己紹介をすると、「香りを嗅がせに行っているんですか?」という質問を受けることがあります。

アロマセラピーもまだ歴史が浅い中、「介護アロマ」はもっと歴史が浅く、ご存じない方も多いと思います。
今回は、介護アロマでできることや介護アロマセラピストについてお伝えいたします。

介護アロマって何?

介護アロマとは、介護を必要としている方にアロマセラピーの精油を用いて心身のケアを行ったり、介護施設等でのレクリエーションでアロマセラピーを活用してクラフト作りをすることを言います。

介護を必要としている人というと、高齢者の方を思い浮かべることが多いと思いますが、高齢者以外の方も対象になります。

また、介護をしているご家族や介護施設の職員の心身のケアもとても大切で、介護アロマのくくりに入ってきます。

介護施設での介護アロマとは

介護施設と言っても様々なタイプの施設があり、その施設に応じた、また介護度などもばらつきがありますが、個々に対応したアロマセラピーをすることが大切です。

有料老人ホーム

食堂などのスペースでアロマ足湯や手足のアロマトリートメント、またみんなで楽しくアロマレクリエーションをしたり、個室にお邪魔してゆっくりと手足やお背中、腰などのアロマトリートメントが人気です。

グループホーム

認知症対応のグループホームでは、少し新しい記憶が難しくなっている軽い認知症状から家族のことや箸の持ち方を忘れてしまった重い症状の方まで様々な方が一緒に暮らしています。

すべてが分からなくなっているわけではないので、当然ストレスも感じていて入居者同士でのちょっとした口喧嘩などもあったりします。

そういったストレスや認知症状を緩和できるようなハンドトリートメントや、個室でのアロマケアが有効です。

また、テレビでも話題になった「認知症アロマオイル」をお部屋に芳香させることによって、時間を認識したり、自律神経をコントロールしてくれるのでお薦めです。

デイサービス

ご自宅からデイサービスに通っている方はよく歩かれたりとお元気な方も多い中、脚の疲れやむくみを気にされる方もいらっしゃるので、アロマ足湯やアロマフットケアトリートメントがとても人気です

アロマの施術が終わると、足が軽くなったと言って喜ばれる方も多いです。

ここに挙げた介護施設での介護アロマはほんの一例です。
同じような介護施設でも利用者さんが変われば、また職員のかたのアイデア次第で、様々な介護アロマが生まれます。

在宅介護での介護アロマ

在宅介護で常にベッドで寝ているような方には、ベッド上でのアロマ足湯や、アロマ清拭、アロマトリートメントなどがおすすめです。
アロマケアによってリラックスできるのか、普段言えないことを話してくれることがあります。

介護アロマは介護アロマセラピストだけではなく、家族の方でもアロマセラピーを学べば介護者に施術をすることができます。

介護アロマは、育ててくれた介護者への恩返しや、後悔しない介護生活を送る手段としても役立ちます。

介護をしている人へのアロマケア

お家で介護を行っている方にもアロマケアは大切になってきます。

なぜかというと、在宅での介護は終わりが見えないことが多く、ストレスを溜め込むことが多いからです。

介護している方は様々な介護サービスを活用している方もいらっしゃいますが、気が抜けない毎日を送られている方も多いと思います。

心に余裕がなくると介護者に優しくできなくなったり、冷たくしてしまったことで自己嫌悪に陥ったりすることがあります。

そんなときは、介護している方も思い切ってアロマトリートメントを受けに行くなど一呼吸することが大切です。

介護アロマセラピストになるには?

介護アロマセラピストになるには、アロマセラピーの知識と技術はもちろんのこと、介護についても知らなくてはなりません。

介護が必要な方ということは、何かしら症状を併せ持つ方への施術になるので、目の前の方がアロマケアをしてもいいのか、辞めた方がいいのかなど見極めなども大切になってきます。

介護アロマトリートメント

介護アロマセラピストとして介護アロマトリートメントのお仕事をするには、一般的なアロマトリートメント技術を習得していることが大切です。

その後に様々な条件を想定しての施術を何度も繰り返しやることと、既に何度も体験している人から学び続けることで、様々な症状を併せ持った方に施術することができます。

介護アロマレクリエーション

アロマセラピーには精油を用いて手作り石鹸や化粧水などアロマクラフトと言われるものがあります。
それを介護アロマに応用したものが介護アロマレクリエーションです。

介護施設の担当者と打ち合わせをして、その施設の方にあった内容を決めて、一緒に手作業をしていきます。

認知症の方や、指が動かせない方など周りに気づかれないようにお手伝いをしたり、遅くなっても自分で作成できたことが喜びや自信につながったりします。

介護アロマ講師

介護アロマを一通り学んで、実際に経験を積み上げたら介護アロマ講師としても活躍することができます。
活躍の場所は、地域の老人会や市町村などでやっている講座、また介護アロマセラピスト育成をすることもできます。

さいごに

介護アロマには、知識と技術と経験が必要になりますが、それ以前に「相手を思いやる気持ち」がとても大切です。

介護施設に入所している友人や、ご家族にやって差し上げたい、これから親が高齢になり必要になるかもしれないから、今から学んでみたいという方は、一つずつ学んで、介護アロマを身に着けていってくださいね。

この記事を書いた人

介護アロマセラピスト・NARDアロマアドバイサー。介護アロマセラピストの養成・指導を行っています。