認知症ケア

大切な親の介護はできるだけ住み慣れた自宅でしたいと思い、介護休暇等を活用して行っている方が増えてきています。

しかし、認知症の症状が酷くなってしまい、仕事を退職しなければならない状況になってしまう方も。
残念なことに認知症を治す有効手段は今のところ見つかっていません。

ただ、認知症の症状を緩和するアロマセラピーは、大学の機関でも研究されています。
そこで今回は、認知症におすすめのアロマレシピをご紹介します。

生活のリズムを整える昼用オイルと夜用オイル

お家で介護している方の中には、要介護者が昼間はうとうとしているけど、夜になると活動的になって困っている方も多いと思います。

実は認知症の症状に、時間や今いる場所などが分からなくなる見当識障害というものがあります。

どのような症状かというと、自宅にいるのに、ここがどこか分からなくなって「家に帰ります」と言ったり、時間が分からなくなり、昼と夜の区別がつかなくなって、夜なのに、「今からスーパーに行ってきます」といったことが起こったりします。

そんな時は生活リズムを整えて、昼は活動的に、夜はぐっすりと眠れるようにサポートをしてくれるアロマオイルがおすすめです。

今からご紹介する昼用アロマオイル夜用アロマオイルは、鳥取大学の先生たちが研究をしているものです。アロマ精油をブレンドして使います。

昼用アロマオイルブレンド

ぐっすり寝る女性

ローズマリーカンファーは集中力や記憶力を高めてくれる精油です。
レモンは集中力や気分を高めてくれる精油です。

夜用アロマオイルブレンド

真正ラベンダーとスウィートオレンジは鎮静作用や安眠作用がある精油です。

<使い方>

*昼用アロマオイル

9:00~11:00の間にアロマディフューザーやアロマペンダント等を使用してブレンドしたアロマ精油(昼用オイル)を嗅ぎます。

*専用のアロマディフューザーがない場合はティッシュなどにアロマオイルを数滴落として代用することもできます。

*夜用アロマオイル

就寝の1時間前くらいからアロマディフューザーやアロマペンダント等を使用しブレンドしたアロマ精油(夜用オイル)を嗅ぎ、就寝から1時間後まで香りを嗅げる環境を作ります。

*昼用、夜用アロマオイルはアロマショップやネットショップで販売しています。一度に購入が難しい場合は、昼用アロマオイルからお試しされると良いです。

探す⇨昼用アロマ 探す⇨夜用アロマ

レモングラスで前頭葉の血流をアップ

認知症予防と言えば、前述した昼用アロマオイル、夜用アロマオイルが有名ですが、星薬科大学の塩田先生はレモングラスに注目をしました。

認知症の方は前頭葉の機能が低下をしているため、コミュニケーションが取れなくなったりしますが、レモングラスの香りを嗅ぐことによって前頭葉の血流量がアップすることが分かってきました。

その結果、イスに座ってぽーっとしていた方が、昼間活動的になったり物忘れが酷かった人が落ち着いたり、徘徊が治まってくるという研究結果がでています。

<使い方>

  1. 午前中に2時間レモングラスのアロマで芳香浴をする。

*この午前中というのが大切なことなので、試されるときはしっかり守って行ってください。
*芳香浴はアロマの香りを拡散させるディフューザーなどでできます。

心が落ち着くハンドアロマトリートメント

認知症の症状の中に、今までおとなしかった人なのに、暴言や暴力の症状が出てきて、日に日にその症状が強くなり、介護するご家族はどうしていいかわからなくて、拘束をしてしまったり、施設に預けることを決断される方もいらっしゃると思います。

アロママッサージ

そんな時は手と手を触れ合うハンドアロマトリートメントがお薦めです。

アロマハンドケアを行うことで心が落ち着き、暴言や暴力が収まることがあります。

アロマトリートメントは1:1で行うよりも、1:2で行う方がおすすめです。

一人は背中をさすったり、もう一人がハンドアロマトリートメントの施術をするといった感じで行うと、じっと座っていられない方にも有効的です。

<やり方>

  1. フェイスタオルで手、腕をくるみます。
  2. くるんだタオルの上に手を置き、はじめますよの合図をします。
  3. 片方ずつブレンドオイルを適量手にとり馴染ませてから相手の手や腕に優しく塗布していきます。
  4. ゆっくり、ゆっくり手をさすります。
  5. 終わったらまた手をフェイスタオルでくるみ、その上に手を置き、終わりましたの合図をして余分なオイルを拭き取りおわります。

最後に

今まで介護のお仕事に携わったことがない方にとっては、親の介護ではじめての経験に遭遇し、戸惑いながらも毎日のお世話に奮闘していると思います。

その頑張りに対して、どんどん介護度が上がり、認知症の症状も更に酷くなっていき、どうしたらいいのか分からない方が増えています。

しかし、認知症の症状がある方は、普段接するご家族の方との関係によって症状が落ち着くこともあります。

今回紹介した精油を使用し、小さい頃たくさん握ってくれた自分の手で、今度は自分が握ってあげることによって、親孝行、悔いのない介護をすることができます。

自分のためにも優しい記憶を是非作っていってくださいね。

アロマ精油の取り扱い注意

  • 柑橘系の精油を肌につけて太陽に当たるとシミや発赤の原因にもなりますので時間帯を気を付けてご使用ください
  • ご使用のアロマ精油が肌に合わないことがありますので、パッチテストを事前に行い希釈してご使用ください。

この記事を書いた人

介護アロマセラピスト・NARDアロマアドバイサー。介護アロマセラピストの養成・指導を行っています。