アロマテラピーとは「植物から抽出した精油(エッセンシャルオイル)と呼ばれる香りの成分を使って心身の健康維持に役立てたること」で、芳香療法とも呼ばれています。
アロマテラピーは日本では主にリラクゼーション・癒し目的で使用されています。
しかし海外では精油の薬理効果が認められていて病気の治療にも使われているんです。
ただ最近では、日本でもアロマテラピーのメディカル要素も注目されはじめました。
実際に医療機関でも、心身の健康維持に役立てる補完療法としてアロマテラピーが利用され始めています。
その結果アロマテラピーを生活の中に取りいれる人や、アロマテラピーの知識をつけるために資格を取得し、仕事に活用する人が年々増え続けています。
ここではアロマテラピーはどのように広まってきたのか、資格や仕事での活用方法にはどのようなものがあるのかなどを説明していきたいと思います!
アロマテラピーの歴史
アロマテラピーという言葉はフランス語の造語で、アロマ(=香り)とテラピー(=療法)の組み合わせです。
この言葉はフランス人の化学者ルネ・モーリス・ガットフォセが出版した『芳香療法(Aromatherapy)』という本で広く知られるようになりました。
そして、この本を出すきっかけとなったのが、ガットフォセが実験中に大やけどを負った事件です。
ある日、化学者のガットフォセは実験中に大やけどを負ってしまします。
そしてこの時にたまたま近くに置いてあったラベンダーオイル(精油)を肌につけたんです。
その後、火傷の治りが驚くほど良かったことからガットフォセは精油に興味を持ち、精油の効果について研究を始めます。
そして、その研究結果をもとに出版されたのが「芳香療法(Aromatherapy)」なんです。
この本には精油の効果効能や使い方などが書かれていたたため、アロマテラピーという言葉と使い方が広がるきっかけとなりました。
ただ、アロマテラピーという言葉ができる前から人々と植物の香りとの繋がりは深く、昔から芳香療法と同じようなことは行われてきました。
古代ギリシャでは、ヒポクラテスが「健康とは芳香風呂に入り香油マッサージを毎日行うことだ」と言っていたそうです。
また古代ローマではデオスコリデスが薬草医学の論文を書いて、西洋医学の参考書となりました。
これらはアロマテラピーという言葉ができる、ずっと前のことです。
フランスやイギリス、海外でのアロマセラピー
香りを嗅いでリラックスするだけのイメージが強いアロマテラピーですが、実は、フランスやベルギーではアロマテラピーは医療行為とされ医師だけが精油の処方をすることができます。
つまり、精油(エッセンシャルオイル)の効果効能が認められていて、薬と同じように使われているということなんです。
実際に、精油は医薬品として取り扱われていて薬局でしか販売されません。
しかも誰でも買えるわけではなく、病院で医師の診察を受け精油の処方箋を書いてもらって薬局に行く、という形なんです。
ですから、精油にも健康保険が適応されていて、高濃度での使用や内服が認められています。
香りの成分を利用して体調不良を改善したり、病気を予防するのが主な目的となっています。
一般の家庭でも医師のアドバイスに基づいて利用されているのです。
いっぽうで、また違う発展をとげたのがイギリス式のアロマテラピーです。
イギリスでは精油をスキンケアに使ったり、トリートメントをしたり、香りを楽しんでリラックスしたりといったストレス解消や癒しが主な目的とされています。
そのためイギリスでは、精油は誰でも気軽に買うことがことができ、生活に広くとり入れられています。
また、身体と精神に働きかける精油の特性を生かして、アロマテラピーはがん患者への緩和ケアにも使われています。
日本でのアロマテラピーの使われかた
●アロマテラピーの活用の場が広がってきているよ!どんな使われ方をしているのかな?
日本にアロマテラピーが伝わってきたのは、年頃のことで、イギリス式の美容やリラクゼーション的なものでした。
そのため、日本人の多くは、アロマテラピーをリラックスの方法の一つとして捉えています。
また、そいういった経緯から、日本でアロマオイル(精油)は雑貨としてとり扱われるようになりました。
そのため、アロマオイルの品質に基準は無く、成分表示などの安全性チェックも義務付けられていません。
実際に、雑貨店などではさまざまな種類(品質)のアロマオイルが販売されています。
中には皮膚につけるとトラブルになるアロマオイルもありますので、アロマテラピーを安全に楽しむには精油に関する正しい知識を身に付ける必要があるんです。
(参照:品質のよい精油(エッセンシャルオイル)の選び方・保管方法)
アロマオイルの使い方は、一般的には自宅や車内などで芳香浴を楽しむ人が多いようです。
できるだけ自然な暮らしを楽しみたいと考える人たちには、クラフトアロマ(手作りアロマ)も人気です。
自分の好きな精油(エッセンシャルオイル)を使って、手作り化粧品やマッサージオイルなどが作れるからです。
最近では、アロマテラピーはストレスが多い日本人にとって優れた健康法として認められつつあり、関連する本も多く出版されています。
また、医療現場でもアロマテラピーを活用しようという考えが広まり、西洋医学を補うための心身のケアとして使われるようになってきています。
その結果、アロマテラピー関連の資格をとるひとも年々増えてきており、実際に仕事に活用する機会も多くなってきています。